観光地で美味しいものを食べるのは旅の醍醐味ですよね!今回は栃木県足利市で地の旬の食材とワインを一緒に味わえるだけでなく、それぞれのいい所を更に引き出すペアリングを楽しめるレストランに行ってきました✨
Au Petit Bouchon(オー プティ ブション)
栃木県足利市田中町789
第三石川ビル1F南テナント
TEL:0284-64-7595
営業時間:
ランチ 11:30~14:00(平日のみ)
ディナー 18:00~23:00※完全予約制、コースのみ
¥7,000/¥10,000/¥15,000
定休日:なし
おしゃれなお店構えで夜はコース料理のみのご案内でしたが、可愛らしいスタンプが施された箸留めや、シェフの優しい笑顔、サービスの奥様の柔らかい雰囲気ですぐに居心地の良さを感じられます!
全部で12品のボリュームたっぷりのコースの中で、特に印象に残った数品をご紹介します。
instagramのリール動画ではご紹介できなかったお料理も含めてアップしていますので、よろしければぜひご覧ください。
この投稿をInstagramで見る
前菜の盛り合わせ
魚介のケーキや、生の平貝、ベニエなど様々な食材が異なる調理法で供され、迷い箸をしてしまいそうなバラエティーの豊かさです。
平貝は東北にはあまり出回らないので、旅先で味わえて嬉しかったです!
まずは泡で乾杯!
のときに、アンドレスのブランドブランが早速登場してテンションが上がりました。
乾いた喉を心地よく潤しながら、どの料理にもしっかり合わせられるこちらの泡はファルツ地方でシャンパーニュ製法(瓶内二次発酵)で造られています。
しかも瓶内熟成30ヵ月という長期熟成は、ノンヴィンテージシャンパーニュの規定の倍の長さです。
牡蠣フライ
牡蠣とピノノワール、意外ですか?
でも私は大好きな組み合わせです!!
こちらのワインはオーストラリア南東の突き出た半島にある「モーニングトンペニンシュラ」で、栽培から醸造までたった一人で熟す職人的生産者ダリンさんが造り出す【プリンキピア エステート ピノノワール】です。
自家製のタルタルソースには、福田シェフの作った芝漬けも使われていて、梅のほのかな香りと酸味がピノノワールとの架け橋になっています。
クランベリーやレッドチェリーを齧ったようなジューシーで華やかな味わいのこのピノノワールと、サクサクの軽めの衣の脂に包まれてふっくらジューシーになった牡蠣は、まるでおしゃれなベリーソースをまとったような素敵な組み合わせでした!
にんじんと芽キャベツのベニエ
この前に可愛らしいカクテルグラスで新鮮なお魚料理をいただき、温かいお料理に戻ります。
ザクザクの衣につつまれたにんじんと芽キャベツは野菜というよりフルーツかと思う程、とても甘かったです。
合わせたワインは西オーストラリア州のマーガレットリバーの【フレーザーギャロップ】のパルテールシャルドネ2020です。
彼らは、エステート、パルテール、パラディアンと3つのランクでワインを造っていて「パルテール」は看板ワインに位置づけています。
マーガレットリバーはオーストラリアの高級ワインを数多く輩出している産地で、フレーザーギャロップは国際的に高評価を取り続けています。
(彼らの造る最上級キュヴェのパラディアンシャルドネ 2020がパーカー96+点、2021は97+点という高得点を獲得し、近年更に注目度が上がっています。)
野菜の甘味に負けないくらい、白桃やリンゴといったフルーツたっぷりの華やかさと凝縮感があり、バランスのいい高い酸味と余韻には高級フレンチオーク由来の上品な風味が続き、口内で長く続く複雑な余韻にうっとりします。
じゃがバター
侮ることなかれ…低温の油で6時間もじっくり火入れしたじゃがいもは、私の知っている味や食感と別物でした!
口の中で優しくほどけていくじゃがいもに絶妙に絡み合う塩味と鼻に抜けるバターとカラスミの風味が一体になって一つの料理になっていくようでした。
カラスミの独特の味わいはワインを選びそうですが、面白いワインをお勧めしてくれましたよ。
ドイツのラインヘッセンで700年以上前から修道院がワイン造りをしていた歴史ある場所で、クリスティアンとマーティン兄弟が力を合わせてワイン造りをしています。
クラッシックな造りとクリーンな自然派ワインのどちらも挑戦的に造る二人は、大の日本好き。
そんな話を聞いたルシオールのお客様が呪術廻戦のフィギュアと共に彼らのワイン(写真左)を投稿すると、なんと主人公虎杖の名言付きでシェアしてくれました!
私も大好きなアニメのあのシーン、
「生き様で後悔はしたくない」
現地でお会いした時にワイン一つ一つを熱く説明してくれたお二人の姿が浮かびました。
そんな彼らが造るロートリゲントはリースリングではあまりしないマロラクティック発酵という醸造工程を100%行い、亜硫酸の添加は瓶詰め時に20mg/lと極少量に抑えられています。
マロラクティック発酵由来のほんのりとバターのような風味と、リースリングらしい白い花、リンゴ、フレッシュなレモンといった風味もしっかり感じられる綺麗な造りのワインです。
ひと口ワインを飲むとじゃがいもの甘味が際立ち、ワインの味わいが消されない程度の丁度いいカラスミの塩味と、独特の味わいが溶け合うようでした。
松阪牛のランプステーキ
自家燻製の牡蠣やたらこの盛り合わせ、甘鯛など2皿も魚お料理を平らげて、いよいよメインのお肉料理。
松坂牛はきめ細かいサシが特長だそうで、ランプは赤身ですが程よく脂もありとにかく柔らかかったです!
そしてひと手間、軽く燻製がかけられていて一口目のインパクトがすごい。
シェリーの少し甘みのあるソース、キノコたちは赤ワインが欲しくなりますね。
こちらのペアリングに合わせて、奥様が冷蔵庫から赤ワイン達を出して適切な温度にしてスタンバイしてくれていました!
食べるスピードやゲストの好み、調理場の進行具合に合わせてコントロールするのは大変な事ですが、当たり前のように準備してくださっていてとても嬉しかったです。
このワインは、バラやカシス、赤スグリのようなフレッシュで華やかな香りと熟成由来の土のような香りも混ざり合い、口に含むと滑らかで凝縮した果実味と樽由来のほのかなスモーキーさも感じられます。
キノコや皮のような味わいが余韻に残り、ひと口、もうひと口と飲みたくなる複雑な味わいで高すぎないアルコール度数も魅力的です。
嬉しいことに、こちらの一皿はフランコさんのワインに感じる「味わいの要素」が似ていることで、牛肉×赤ワインの王道の組み合わせながらワインとランプの繊細さが絶妙なバランスで相乗効果を生み出していました!
フランコさんのワインはどれも果実味たっぷりで柔らかい渋みが特長的です。
チャーミングなフランコさんの人柄がワインから伝わってくるような親しみやすさは、飲み慣れていない方にもぜひ味わってみていただきたいなと思っています。
この投稿をInstagramで見る
楽しく美味しい時間はあっという間に過ぎ、お腹も心も満たされたディナーでした。
オープティブションさんはペアリングに力を入れていますが、サービスに入っている奥様は私が実際にやってみたペアリングの感想などワインと共にお送りした手書きのお手紙を綺麗なカバーをして、いつでも見れるところに置いてくれていました。
ワインを販売した後は目が届かないことも多い小売りの仕事ですが、私たちルシオールが大切にしているワインを同じように大切に扱ってくださって、さらに沢山のお客様にいい状態で味わっていただけている事を知れて心がじーんとあたたかくなりました。
正解はたくさんあるワインのペアリングは難しいです。
でも!少なくともオープティブションさんに行けば、福田シェフのおもてなしの気持ちを感じる工夫の凝らされたお料理たちと、料理ひと口×ワインひと口のその瞬間に真剣に向き合っている奥様の心地良いサービスがありますよ。
観光地も沢山の栃木県足利市で、「ワインも美味しいレストラン」というプランを追加してみるのはいかがでしょうか?
さらに癒された時間を作ってくれた、小さな可愛い“未来の”ソムリエさん?も一緒にお出迎えしてくれるかもしれませんよ😊
↓お昼メニューも充実してます✨
ここまでお読みいただきありがとうございます!
3月には新契約したドイツの老舗ワイナリーや現地でも入手困難な人気ワイナリー等(計6生産者)と、まだ日本ではあまり知られていないですが現地で注目を集めているブルゴーニュの2生産者のワインが到着し、ルシオール公式instagramでは1銘柄づつ丁寧にご紹介して参ります!
私のinstagramでも、飲んだ感想や一緒に合わせた料理の紹介もいたしますので、見ていただけると嬉しいです!
この投稿をInstagramで見る
Luciole 唐田